くろいぬ
TRAINING北野先生と古賀くん。私の星 聞いた話によると、今日は月が赤い日らしい。
正式には皆既月食と言うらしいけれど、私は英語の教育実習生なので、理科はあまり詳しくない。だから、隣に座る古賀さんから何度も説明をしてもらっても、やっぱり月が赤いということしか分からなかった。古賀さんは私が説明を理解していないことに気付くと、月を指差した。
「とにかく、月が赤くなってることが分かっていればそれでいいですよ」
「それなら、私にも分かりますよ」
数日目かの教育実習を終えた後、黄昏時に古賀さんとたまたま会って、私の自宅に招いて、一緒に夕食を食べて。そうして日が暮れて、月が昇って今に至る。教育実習生が実習先の学生さんと一緒にいるのはどうなんだろうと思ったけど、友人同士である大学生と中学生が一緒にいると考えれば、そこまでおかしいことではない、気がする。古賀さんも古賀さんで、オカルト部門にいる友人さん(九重八木七男さんと、須賀則男さんと、志賀末綱さんの三人と仲がいいらしい)のもとへ訪ねに行ったらしいから、ある意味それと同じなのかもしれない。だったらやっぱり、大学生と中学生が仲が良いのも、何らおかしくない。
1255正式には皆既月食と言うらしいけれど、私は英語の教育実習生なので、理科はあまり詳しくない。だから、隣に座る古賀さんから何度も説明をしてもらっても、やっぱり月が赤いということしか分からなかった。古賀さんは私が説明を理解していないことに気付くと、月を指差した。
「とにかく、月が赤くなってることが分かっていればそれでいいですよ」
「それなら、私にも分かりますよ」
数日目かの教育実習を終えた後、黄昏時に古賀さんとたまたま会って、私の自宅に招いて、一緒に夕食を食べて。そうして日が暮れて、月が昇って今に至る。教育実習生が実習先の学生さんと一緒にいるのはどうなんだろうと思ったけど、友人同士である大学生と中学生が一緒にいると考えれば、そこまでおかしいことではない、気がする。古賀さんも古賀さんで、オカルト部門にいる友人さん(九重八木七男さんと、須賀則男さんと、志賀末綱さんの三人と仲がいいらしい)のもとへ訪ねに行ったらしいから、ある意味それと同じなのかもしれない。だったらやっぱり、大学生と中学生が仲が良いのも、何らおかしくない。
くろいぬ
TRAINING古賀くんと北野先生の話。あなたに似合うのは 北野正念龍という教育実習生が毒竜中学校に来たのは、つい昨日のことだ。何でも英語を担当としているらしく、英語の中でも、特に英単語の発音にこだわった授業をしていた。Vの発音がどうとか、とか言っていた気がする。けれど、授業内容なんて全く耳に入ってこなかった。
授業中、コインロールをしながら外を見ていたからだ。いつもの自分なら、授業を行う先生の顔はちゃんと見ているが、何故か北野先生の顔を見るのは少し恥ずかしかった。何故かなんて分からない。ただ、北野先生の顔を見る度に、ソワソワするような、落ち着かない気分になっていた。そんな気分を誤魔化すためにグラウンドを見ると、ちょうど別のクラスが体育の授業でサッカーを行なっていた。ちょうど良かった。しばらくはこちらを見ていてもいいはずだ。そう考えていた。手持ち無沙汰の状態を何とかするために、手先はコインロールに集中させた。ついでに、コインロールには微量の魔力コマンドを使用した。こうすると、コインロールが安定する気がした。
2181授業中、コインロールをしながら外を見ていたからだ。いつもの自分なら、授業を行う先生の顔はちゃんと見ているが、何故か北野先生の顔を見るのは少し恥ずかしかった。何故かなんて分からない。ただ、北野先生の顔を見る度に、ソワソワするような、落ち着かない気分になっていた。そんな気分を誤魔化すためにグラウンドを見ると、ちょうど別のクラスが体育の授業でサッカーを行なっていた。ちょうど良かった。しばらくはこちらを見ていてもいいはずだ。そう考えていた。手持ち無沙汰の状態を何とかするために、手先はコインロールに集中させた。ついでに、コインロールには微量の魔力コマンドを使用した。こうすると、コインロールが安定する気がした。