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    china_bba

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    サカキ様とミュウツーのお話です。いつもの140字のを長く書きたくなっちゃったので書きました。

    だいたいあいつのせい「サカキ」
    「何だ、ミュウツー」
     よく見ると、右手に水色の花を持っている。
    「この花の、名前が知りたい。道端で見つけた」
    「花? お前に花を愛でる趣味があったか」
    「いや。名前のあるものは、知っておきたいのだ」
    「そうか。今調べてやろう。……出たぞ。ワスレナグサ、という名前だ」
    「ありがとう、サカキ」
     ミュウツーの興味は多岐にわたる。ポケモンの生態に興味を示す時もあれば、人間についてしつこく聞いてくる時もある。今日のように小さな事が気になる日も少なくない。
     
    「サカキ」
    「何だ」
    「花には花言葉がある、と聞いた。ワスレナグサに、花言葉はあるのか」
    「またか。今度、花に詳しい団員を紹介してやろう。俺に聞くより早いはずだ。……出たぞ。私を忘れないで、だそうだ。そのままだな」
    「そうか。ありがとう、サカキ」
     
    「そういう訳だ。頼んだぞ、ラーフ」
    「はい、サカキ様。ミュウツー、何でも聞いてね」
    「ああ。頼りにしている」
     
     しかし、ミュウツーの興味は止まらなかった。ラーフが任務で居ない時は、結局自分のところに花の名を聞きに来る。
    「……ここまで来ると、お前のちょっとした趣味だな」
    「シュミ?」
    「自分の好きなことだ。まあ、花が趣味というのは、悪いことではない。……出たぞ。ユウゲショウ。花言葉は、臆病だそうだ」
    「臆病か。面白いな。生き物みたいだ。ありがとう、サカキ」
    「ああ」
     
    「サカキ」
    「またか。今日は何の花だ」
     振り返ると、ミュウツーは大きな花束を抱えていた。
    「ラーフに、教えてもらった。人間はこうやって花を集めて、贈り物にすると」
    「そうだな。これは、お前が作ったのか」
    「そうだ。少し手伝っては貰ったが、私が選んで、私が作った。受け取れ」
    「……ありがとう」
     水色と薄紫、白の花が多い花束だった。控えめな色遣いで、涼しげな印象だ。どこか、ミュウツーらしさを感じる。美しいと、素直に思えた。
    「……ここ数ヶ月で、俺も随分花に詳しくなってしまった」
    「でも、悪いことではないのだろう?」
    「まあな」
     二人で顔を見合わせて、くすりと笑った。
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