恋の病最近コワルスキーを見ていると胸がムカムカしてくる。
コワルスキーの言動に腹が立っているわけではないのだが、奴の笑顔や真剣な顔、声を聞くだけでも胸がムカムカしてくる。
何か変な病気だろうか…
と、マリーンに相談をしたところ
「それ、恋でしょ」
弾んだ声で言われた。
当然信じられなくて「はぁ?」と間抜けな声が出てしまう。
「だって、コワルスキーのこと見るだけで胸がときめくんでしょ?」
「ときめくなんて言っていないだろう」
「ああうん…ムカムカ、ね」
「そうだ。だがこの症状が恋なわけないだろう」
一応恋は経験したことあるが、こんな症状になったことは無い。恋はもっと心が、それこそ胸が弾むような気持ちになるはずだ。
世間知らずのお嬢さんに相談したことが間違いだったかと腰を上げようとすると、翼を引かれ尻が再びコンクリートに触れた。
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