腹上死だけは勘弁 白石由竹は悩んでいた。房太郎とセックスをするようになって約二ヶ月、房太郎とは既に数え切れないほどに身体を重ねていたのだが、その度に白石は失神するほど攻めたてられ、男の矜持をすっかり挫かれていたのである。
「俺はッ!俺は悔しいッ……!」
「え……。その話まだ聞かなきゃだめぇ?」
「なんだよぉ杉元ぉ!聞けよ!こんなことお前くらいしか話せる奴が居ないんだよぉッ!」
「俺が好きな恋バナはこういう生々しい話じゃ無いんだよなぁ〜。」
騒々しい大衆居酒屋の一角、バイト仲間の杉元佐一を前にした白石は、音を立てて豪快にハイボールを飲み干した。
「ぷはぁ〜ッ!あ〜もう、いつも俺ばっかり!いつもいつも!アイツはヤリたい時に呼びつけて!俺の腹ン中まで洗って!俺が気絶するまでしこたまヤッてくわけ!身体が幾つあっても足りねぇよッ!こないだバイト遅刻しただろ?あれ、房太郎のせいだからなッ!」
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