オリオン主 青き祝福 休暇は海の中で過ごすことが殆どだが、今日は珍しく隠れ家で過ごしている。
隠れ家が建てられることを聞いた時、海底国を選択するのもよかったが人間が足を運ぶことはできない。
姫の執事の厚意なのだから、海底国では執事が訪れることすらままならない。それならアンキュラならば便利だろうと姫と相談してアンキュラの孤島を選んだ。
姫との二人きりの空間を用意してくれた執事には感謝しなくてはならない。今度海底国の装飾品でも送っておくか。
今日は俺の誕生日ではあるが、いつもとは違っているのは陸にいること。そして姫が傍にいることだ。
年を数えるなんてことは俺達海底人はしない。なぜなら人間のように短い寿命ではなく、あまりに長すぎて人生そのものに退屈すら覚えるほどだ。
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