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    57ワンドロライ 第104試合『人参〜carrot〜』
    #悟チチ版ワンドロワンライ #天下一悟チチ武道会 #悟チチ #Gochichi #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge

     悟空の好物はチチの手料理である。
     もともと好き嫌いはなく、外食に文句はないし、自分の食欲を満たすために魚や獣、木の実などを採ることもある。簡単な調理はできるが、逆に言えば工程が多いものは得意ではないということだ。

     しかし、最近はその少ない工程でもなるべく「おいしい」と思えるものを幾つか作れるようになっている。

     大きな鍋の底に骨付きの鶏肉を並べ、その上にじゃがいも、にんじん、たまねぎを並べる。野菜はどれもごろっとしていて一口よりも大きく不ぞろい気味だが、それぞれが柔らかくなるまで煮込むので特に気にしなくていいとチチに教わった。

     肉と野菜を入れた鍋に「これで煮込めば大体おいしくなる」というチチの太鼓判のコンソメキューブを幾つか入れ、水をはり火をかける。
     あとは灰汁をとりつつ煮込めばポトフの完成だ。

     ニンジンの赤が多少多いのは、最近の収穫量が多かったのと、チチのリクエストだからだ。
     風邪で本日寝込んでいるチチは野菜を食べたがり、おなかにも喉にも優しいポトフを所望し、悟空に作ってくれとねだってきた。

     こういうときのために自分に、これまでよりちょっとだけ手を食わえる料理を教えてくれたのかと思うと、いつもなら離れがちになる鍋にちょっと寄り添おうという気持ちになる。

     やわらかく煮えた人参を最初に食べさせてやろう、そう思いつつ彼は鍋の蓋を閉じるのだった。
     
     
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    TRAINING第18試合『手紙〜Letter〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     掃除、洗濯、夕食の下ごしらえ、他のこまごました家事が終わると、チチのちょっとした自由時間となる。
     自由時間といっても大概は針仕事や近隣(と、言っても孫家からかなりの距離はあるのだが)への用事事や畑の様子などを見にいくことも多いが、まれに本当にぽっかりとそれらもない自由時間がある。

     そうなるとチチはお茶を淹れて雑誌を読んだりテレビを見たり、時々午睡をしたりとして過ごすが、気が向くとリビングのとある収納の引き出しを引く。

    「ああ、そろそろこの便箋もなくなってきてるだなぁ」

     言いながら取り出したのは、淡い緑色で揃えられているレターセットだ。共に万年筆も出して、ダイニングテーブルに座る。
     
    「さて、と」

     便箋をめくり、チチは慣れた様子で万年筆にインクを補充すると、その切っ先を紙面へと滑らせ始めた。
     出だしはいつも決まっていて、「悟空さへ」 である。

     
     書くことは基本とりとめもなく。
     自分がその日思っていること、伝えたいことをつらつらを書いていく。満足するまで書いたあとは便箋を折り封筒に入れて封をして、便箋をしまっている同じ引き出しに手紙をしまう。
     この手紙は決し 1450

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第7試合 お題『ピアス』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「ピアスを開けたい? いいんでねぇか」
    「…………」
    「悟天、何か言いたいなら言うだよ」
    「あ、えっとさ。あっさりOKされるとは思わなかったから」
    「ファッションのひとつだし、おめぇも年頃だからな。親のおらがしてるものを頭ごなしにダメっていうほど気も張ってねぇだよ」

     ソファに座ってのんびりと茶を飲んでいる母に話しかけるタイミングと彼女の期限をかなり慎重に窺って挑んだだけに、悟天の方が拍子抜けしてしまった。
     桃色が主体の旗袍に髪を短くした母親の耳元には確かにピアスがされていて、小さく球が揺れている。

     ピアスといえばやはり女性ものというイメージがあるし、実際母に話すより前に隣に住む兄に相談してみると「彼女へのプレゼントじゃなくて?」と首を傾げられたこともあった。まぁ悟天とて女の子がつけて可愛い装飾が多いものは興味はないが、小さな銀や金のスタイリッシュなものには憧れる。
     耳といういつも露出している部位に身に着けるものだから、やはり一緒に住んでいる家族に黙ってやるのはいかがなものかということと、素行には厳しい母親であるということで話すタイミングを数日前から考えて見計らって挑んだ結果 1737

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第6試合 お題『アイス〜ICE〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    孫家の日常は多分どちらかといえば慌ただしいイメージかもしれない。

     それは確かに事実でもある。
     なにせ、パオズ山は緑豊かといえば聞こえはいいが、実際は大型肉食獣も住まう辺境という言葉が相応しく、人が住む場所といえば限られていて村と呼べる存在は山の麓の方にあり、そこから町、都会へとなるとずっと遠くなりそれなりの移動手段が必要だ。

     そんな場所で暮らしているものだから、ハイスクールへの登校にも時間がかかってしまう。孫家の長男、悟飯は時間にルーズではないがやはり朝はばたばたしがちだし、悟飯や悟天の父親である孫悟空が現世の人として戻ってきたため家事(主に食事面)が増えたため子供達の母であり、悟空の妻であるチチも所々は慌ただしい。
     しかしながら、子供達が成長すれば各々時間の使い方はうまくなっていくし、悟空に至っては修行に出てしまえば家を不在にする時間も長くなり心配はするものの家事の負担は減る。

     あと、これは知るものは孫家の面々くらいだが、農作業が終わり昼食も終わったあとの孫家は意外とのんびりとした時間が流れる。

     茶を淹れて、ゆっくりと飲む時間。
     それはチチがひとりで家を支えてい 2050

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    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第8試合 お題『月〜MOON〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「黒髪の悟空さはおひさまみてぇに笑うし、金色の悟空さもきらきらまぶしい太陽みてぇだって思ったけんど」
    「けど?」
    「おっかねぇお顔のおめぇさは、なーんかお月様って感じだべな」
    「それ、髪型のせいとか言わねぇだろうな?」
    「あ、言われてみれば。なんか三日月みてぇな気も…」
    「チチ」
    「ほれ、こうやって後ろにいっぺぇある髪をこんな風にしたら……」
    「チーチ」
    「いいでねぇか、今はおらとおめぇさだけだもの。少しくらい遊ばせてけれ」
    「…………」
    「ふふ。三日月型にしたらやっぱりお月様みてぇだ。真夜中にすっげぇ光ってるお月様、金色に見えることあるもん」
    「俺からしてみりゃあ、チチが月みてぇだけどな」
    「おら…?」
    「金色がねぇって思ってっだろ。金色じゃあなくてよ、このさ…」
    「ん………っ」
    「チチの肌がさ、まんまるの月みてぇに白いのに、なんつうか白すぎず…色っぺぇっていうかさ。…真珠色っていうんだっけ? たまんねぇときある」
    「………悟空さ、触りすぎ」
    「いいじゃねぇか、二人っきりっつったのはチチだし。それに」

     月がキレイな今夜は、子供達不在の二人きりなので。

    「お互いのお月さん、堪能し 513

    eastdragon_DB

    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第11試合 お題『海 〜Sea〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    惑星バンパは「過酷」な環境ではあるが、ブロリーにとっては物心ついたころから生きてきた星だし、色々あったが今はチライとレモが一緒にいる。
     ソンゴクウが持ってきてくれた「家」でぐっと過ごしやすなったし、昼は暑さに夜は寒さに、食料が心もとないと不安がっていたチライとレモが笑ってくれるようになったのはブロリーには嬉しいことだ。
     ゴクウは度々バンパを訪れ食料や他に必要なものを持ってきてくれて、そしてブロリーを修行に誘う。それを数回繰り返すうちにゴクウはブロリー達を地球へと誘った。理由はブロリーが海を見たいといったからである。

     ゴクウ曰く、ブロリーは海自体はとっくに見ていて、かつその中に落ちたりもしていたらしい。
     フリーザの宇宙船が着地した場所、そしてゴクウやベジータと闘った場所こそは氷に覆われてはいたもののその下こそが「海」だったらしい。
     ゴクウから聞く地球の話で、海とは青くて広くて深い場所もあって、たくさんの生き物がいるとあった。
     闘争本能が暴走した状態だったので、海自体をよく見れていなかった。たくさんの生き物がいるなら見てみたいといったところ、ゴクウの瞬間移動なるものでの地球へ 1607

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    TRAINING第16試合『Freestyle』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「我流?」
    「んだ。悟空さの武術スタイル。亀仙流…神様、界王様やあの世のお偉いさんとか、今じゃあウィスさんって破壊神のお付きの天使様に修行とかつけてもらってて、その教えはあるかもしんねぇけど、ほとんど我流だべ」
    「まぁ……そうなるの、…か?」
    「なんでおめぇさが疑問形なんだべ」
    「いやー、別に嫌とかじゃあねぇけんど、なんかヘンテコかと思ってよ。チチは…亀仙流だよな」
    「んだ。おっとうからみっちりと教わった正統派亀仙流だべ」

     型見せるだか? と、腰を落とし両手を持ち上げて構えをとるチチは凛として華の如く。美しい武だ。

    「ほんっとキレイなもんだよな」
    「悟空さの構えもてぇしたもんだよ。この人にはかなわねぇって肌ぴりぴりするだよ」
    「オラおめぇにそんな気ぶつけたか?」
    「ねぇな」
    「だよな」
    「我流ってのがしっくりこねぇべか? 一応いろんな教えをたくさん持ってて、それ全部ひっくるめて修行して発展させてるってのが今の悟空さだと思うけんど。あ、言い方がちょっとカッコ悪いって思ってるんじゃねぇか、悟空さ」
    「言い方ぁ?」
    「んだ。悪くはねぇけんどちょっとなんかもうちょっとあるんじゃねぇかって 882

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    TRAINING第17試合『オオカミ〜Wolf〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「悟空さはオオカミみたいだ」
    「オラ、狼牙風風拳は使わねぇぞ」
    「なんでヤムチャさが出てくるだ。おめぇさのことだべ」

     時刻は深夜。夫婦の寝室。
     このふたつの言葉で状況はなんとなく察していただきたい。

     分かち合った身体の熱もほどよくおさまった後、チチは汗を流したいと今夜二度目の風呂に入った。
     汗を流すのが目的だったのでそんなに時間もかからず出てきたチチは寝着を纏いドレッサーの前で髪を好きながら、冒頭のセリフを口にしたというわけだ。

    「鼻が利くからか?」
    「ああ、確かにそれもあるだな。でも違うだ」

     髪を梳る手を止めずチチは鏡越しに笑っている。笑ってはいるが、その中に多少の別の感情も悟空には見える気がする。怒っているというほどではないが、呆れているともまた違うような。
     彼女から香る匂いも素朴な石鹸の香りで、強く感情が高ぶっている気配はない。

    「オオカミの愛情表現って知ってるだか?」
    「あいじょうひょうげん?」
    「んだ。今日、悟天が宿題の調べものかなんかで動物図鑑出しててな。だしっぱだったもんだからおらが片付けたんだけんど、何気にぺらぺらめくっててオオカミのページ読んだん 1351