三日月本当にたくさんのことがあって、いろんな葛藤の末に、互いのことを認めて仲良くなれたことを、心から嬉しく思っている。
最初こそ恐縮していたけれど、あの人はとても真っ直ぐに俺のことを見て言葉をかけてくれるから、それに応えたいと自然と思えるようになっていった。
そして今や、こうして2人きりで晩飯に行けるまでの仲になった。こんな夢みたいなこと、奇跡としか言いようがない。
「おい、狗丸。どうしたんだよボーッとして」
「え!い、いや、なんでもないです」
「ふーん。まあいいけど」
「八乙女さん、次何飲みます?そろそろやめとく?」
「さん付けしなくていいって」
「ぅ、えと、はい……」
「狗丸が飲むなら飲もうかな」
「あ、じゃあもう一杯だけ」
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