氷獄の外へと 4寝ていたわけだし時計も無いので実際どれくらい時間が経ったは分からないが、ドーム部員は約束通り「お風呂の用意出来たよ」とおれを起こした。
おれは寝惚け眼を擦りながら起床し、フラフラ立ち上がろうとして止められた。なんとなく今ならいける気がしたんだけど周りからしたらそうでもなかったらしい。
「カイリュー、落ち着いて。流石にお風呂場の扉は通れないからボクが運ぶよ」
カイリューが心配そうに腕を伸ばしてくれたが、扉を通れないという理由でそちらも制止されて。
「じゃ、じゃあ、えと、シツレイシマス……」
「ん」
ドーム部員はガチガチに緊張しながら抱っこしてくれた。
かなりしっかりと横抱きにされて安定してて、多分落とされることは無いだろうと力を抜く。
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