火照る体温で「寒い」と寂しがる君が「寒い」
自分の布団と客用の布団を分けて並べていたのに、木村はそう言ってもぞもぞと俺の方に入ってきた。寒いという割に高い体温の足が布団の中で絡められる。
眠りかけていた意識が覚めてしまい、体を横向きにして木村を抱き寄せた。
「なぁ鷹城」
「ん…」
「最近してなくない?」
何をしてないかと問われれば、真っ先に思い付いたのはセックスだった。多分木村も同じことを考えていると思う。
「…翼さんが忙しいからしょうがないだろ」
三週間ほど前に映画の撮影が始まり、それからゆっくり会うことが出来なくなった。そろそろ終わる頃だとは思うが、詳しいスケジュールはよく分からない。こういう時ユニットが違うことをもどかしく思う。
「そうだけど…」
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