雨雨が長引き、予想以上に帰りが遅くなってしまった
今日の予定は視察のあと、ヴィンセントさんのレッスンが入っていた
もう、30分も遅れている
お城に到着し、急いで降りようとするとタイミングよく扉が開いてシミアンさんが顔をだした
「姫様、お帰りなさいませ!この雨でさぞお疲れになったでしょう!ささ!!私の胸に飛び込んでください!」
傘をさしながら器用に両手を広げるシミアンさんを無視して本題に入った
「ヴィンセントさんのレッスンに遅刻してしまいました!シミアンさん!急いで部屋に!!」
慌てる私をよそに、シミアンさんは斜め後ろに振り返り第三者に話しかけた
「ですって、ヴィンス!」
「レッスンのことは、気になさらないでよろしいですよ」
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