ゼロノチャン
DOODLE命日文安眠 寝苦しい。というか、息苦しい。何かが身体にのしかかっているような、……そんな嫌な感覚で目を覚ました。
瞼は閉じたままに、ベッドに投げ出した片手を恐る恐る握る。寝起きで力が入らないものの、小指、薬指、中指、人差し指と、問題なく動かすことが出来た。
ほっと胸を撫で下ろす。……大丈夫。金縛りではないようだ。
だとしても、目を開けて事実を確認するのが怖い。
この図体で怖がりだなんてあまりに滑稽な自覚はあるのだが、子供の頃から駄目なのだ。ホラーとかオカルトとかそういう、理屈が説明できない事象は、どうしたって怖い。
寝てるうちに金縛りにあって、髪の長い女の霊が身体を這う。なんて、ホラーじゃよくある展開だし。
1620瞼は閉じたままに、ベッドに投げ出した片手を恐る恐る握る。寝起きで力が入らないものの、小指、薬指、中指、人差し指と、問題なく動かすことが出来た。
ほっと胸を撫で下ろす。……大丈夫。金縛りではないようだ。
だとしても、目を開けて事実を確認するのが怖い。
この図体で怖がりだなんてあまりに滑稽な自覚はあるのだが、子供の頃から駄目なのだ。ホラーとかオカルトとかそういう、理屈が説明できない事象は、どうしたって怖い。
寝てるうちに金縛りにあって、髪の長い女の霊が身体を這う。なんて、ホラーじゃよくある展開だし。
ゼロノチャン
DOODLEお試し文章投稿大人ハロウィン SNSを流し見ていると、タイムライン上やたらとオレンジと紫の二色が目立っていた。もしやと思い日付を見れば、今日は一〇月三一日。トレンドのタグをタップしたら、友人の泉野麗華が彼女の所属するアイドルグループのメンバーたちと、魔女のコスプレ衣装に身を包んだ写真がアップされていた。
「そうか、今日だったか」
独り言ちると、隣で音楽雑誌を読み耽っていた同居人の角田亥之介が顔を上げる。
「何が」
「ハロウィン」
「あ〜〜〜」
イノにとってもハロウィンは他人事だったようで、俺からその単語を聞いてやっと思い出した様子だった。
そりゃあ、こいつは甘いものも苦手なのだし、メメとムムも今週は寮から帰ってきていないし、本日は泥棒の予定もないし、関心も向かないわけだろう。
1811「そうか、今日だったか」
独り言ちると、隣で音楽雑誌を読み耽っていた同居人の角田亥之介が顔を上げる。
「何が」
「ハロウィン」
「あ〜〜〜」
イノにとってもハロウィンは他人事だったようで、俺からその単語を聞いてやっと思い出した様子だった。
そりゃあ、こいつは甘いものも苦手なのだし、メメとムムも今週は寮から帰ってきていないし、本日は泥棒の予定もないし、関心も向かないわけだろう。