蜂蜜🍯
DOODLEファットと環の概念香水を作りました。その時の狂いと感想です。web only「ふぁとろたまごでごちそうさん2」(https://pictsquare.net/iw5z05ip6ot5r0tuhb9anq8r49xkt9r1)のにぎやかしとして展示させていただきます…! 5
はねた
TRAININGファ環とオル相前提、ファットさんとあいざわ先生きみは太陽 花の下で子どもが眠っている。くるりとまるまって、ちいさな頭をかたわらのひとの膝にのせている。
尖った耳、黒髪がさらさらと風になびく。ファットガムはベンチに両腕をまわし、こどもの眠りを妨げないようにしていた。
足音に気がついたか、その目がこちらに向けられる。その姿はずいぶんと痩せて、戦の激しさをものがたっていた。
「よお」
短いひとことにも西の風情がある。そういえば数日前、会議のために方々からヒーローが集まるという話を聞いていた。返事のかわりに相澤は片手をあげる。ベンチに歩み寄れば、金属の義足がかしゃりと鈍い音を立てた。
昼の陽射しがきらきらと、ファットガムの髪を金色に透かす。秋海棠の花が背後にあって、ベンチのなかばほどを覆っていた。戦況は厳しく、いつであれ予断を許さない、そのなかにあって、ファットガムと眠る子どもの姿はまるで一幅の絵のようだと、そう思ったけれどもそれを口にするのはやめておいた。
2670尖った耳、黒髪がさらさらと風になびく。ファットガムはベンチに両腕をまわし、こどもの眠りを妨げないようにしていた。
足音に気がついたか、その目がこちらに向けられる。その姿はずいぶんと痩せて、戦の激しさをものがたっていた。
「よお」
短いひとことにも西の風情がある。そういえば数日前、会議のために方々からヒーローが集まるという話を聞いていた。返事のかわりに相澤は片手をあげる。ベンチに歩み寄れば、金属の義足がかしゃりと鈍い音を立てた。
昼の陽射しがきらきらと、ファットガムの髪を金色に透かす。秋海棠の花が背後にあって、ベンチのなかばほどを覆っていた。戦況は厳しく、いつであれ予断を許さない、そのなかにあって、ファットガムと眠る子どもの姿はまるで一幅の絵のようだと、そう思ったけれどもそれを口にするのはやめておいた。
はねた
TRAININGファ環+オル相前提のようなそうでないような、ファットさんと相澤先生の話を書きました。相澤先生の足まわりが苦手な方はご注意下さい。
一景 陽は黒衣に馴染まないから、そこばかりが影となる。
相澤はベンチに腰かけている。木造りのそれはすこしささくれていて、その隙間を蟻が這ってゆく。
組んだ足のさき、金属がてらりと鈍く輝いた。靴はベンチの下にあって、脱ぎ捨てたまま転がっている。
義足の継ぎ目には熱が溜まり、うしなったはずの指先がきりきりと痛む。膝のあたりで痛覚をとどめることは最近になって覚えた。頭はしんとしたまま、どこかが痺れたようになる。
金属の足をベンチの上でぶらぶらとさせる。きょうは盛大だなとひとごとのように眺めている、と、どこかで遠く鐘の音がした。戦のさなかにありながら、そうしたところばかり学問の場らしさをとどめているのがおかしい。いまにも生徒たちがあちらこちらから現れてきそうな、けれどあたりは白日のうちに静かだった。
2212相澤はベンチに腰かけている。木造りのそれはすこしささくれていて、その隙間を蟻が這ってゆく。
組んだ足のさき、金属がてらりと鈍く輝いた。靴はベンチの下にあって、脱ぎ捨てたまま転がっている。
義足の継ぎ目には熱が溜まり、うしなったはずの指先がきりきりと痛む。膝のあたりで痛覚をとどめることは最近になって覚えた。頭はしんとしたまま、どこかが痺れたようになる。
金属の足をベンチの上でぶらぶらとさせる。きょうは盛大だなとひとごとのように眺めている、と、どこかで遠く鐘の音がした。戦のさなかにありながら、そうしたところばかり学問の場らしさをとどめているのがおかしい。いまにも生徒たちがあちらこちらから現れてきそうな、けれどあたりは白日のうちに静かだった。
furukaza_07
DOODLE🔑18歳以上?yes/no「俺、自分で後ろでイケる子じゃないと無理やねん」
告白してきた環に諦めてもらう為に吐いた嘘が大変なことになってしまったファットさんのお話。
書きたいところだけ書きました。
C●RE ●F S●ULって方々の●ake Me A〜って曲がファ環っぽいなと思いながら書いていたら何だか曲と全然違う方向の話になってしまった。
いい曲なので聴いてください。 2534
はねた
TRAININGファ環。まえの続きです。
ファットさんの打ち返し編。
誰がために鐘は鳴る 続き きんこんかんとチャイムが鳴る。
四限目の終わりを告げる鐘とともに、生徒たちがわれがちに食堂へと駆けてゆく。ヌーの草原大移動もかくやという勢いに、ところどころ流されつつも環は屋上へと向かった。
昇降口の扉を開けたとたん、まっしろい陽の光が目を刺した。ううとうなりつつ、環はしばしばと瞬きをする。
あたりはがらんとしていた。
空は晴れわたっていて、真っ青ななかに鳥の影がぽつんと落ちている。陽は中天にあって、コンクリートの地面のうえ昇降口の影がくっきりと刻まれていた。
影のなかにはミリオがいた。その隣にはねじれがいて、こちらを認めるなりやっほーとかわいらしく手をふってくれる。ねじれのスカートの上にも、地面に敷いたピンク色のハンカチの上にも菓子パンがいくつも置かれている。
5460四限目の終わりを告げる鐘とともに、生徒たちがわれがちに食堂へと駆けてゆく。ヌーの草原大移動もかくやという勢いに、ところどころ流されつつも環は屋上へと向かった。
昇降口の扉を開けたとたん、まっしろい陽の光が目を刺した。ううとうなりつつ、環はしばしばと瞬きをする。
あたりはがらんとしていた。
空は晴れわたっていて、真っ青ななかに鳥の影がぽつんと落ちている。陽は中天にあって、コンクリートの地面のうえ昇降口の影がくっきりと刻まれていた。
影のなかにはミリオがいた。その隣にはねじれがいて、こちらを認めるなりやっほーとかわいらしく手をふってくれる。ねじれのスカートの上にも、地面に敷いたピンク色のハンカチの上にも菓子パンがいくつも置かれている。
はねた
TRAININGファットさんと環さんが大阪でおでんを食べにいく話。環さんの初恋自覚編。
ファットさんの打ち返し編はまた今度。
誰がために鐘は鳴る たこ、なす、ひろうす、ああやっぱりコロにしといて。
生中ひとつ、あとお湯割り、えー、麩ぅあれへんの。
馴染みのないイントネーションとあちらこちらから巻き起こる賑やかな笑い声に、なんとはなし肩身が狭くなって環はおひやのグラスを抱えた。
おでん屋の一角だった。調理場を囲んで凹形になったカウンターの、入口のあたりにいま環はいる。隣にはファットガムがいて、もぐもぐと蒟蒻をほおばっている。
高架下にある店内は昼だというのにぼんやりと暗い。十人も入れば満杯になるだろう店内はカウンターと壁との距離が近く、ひとびとは先客のうしろを横歩きして席に着く。
水曜日の午後3時だった。サラリーマン風の男がふたり黙々と大根を食らう横で濃い化粧の老女がビールの大ジョッキを掲げ、さらにその向こうではちいさい女の子をまんなかにした家族連れがにこやかに箸を進めている。
4696生中ひとつ、あとお湯割り、えー、麩ぅあれへんの。
馴染みのないイントネーションとあちらこちらから巻き起こる賑やかな笑い声に、なんとはなし肩身が狭くなって環はおひやのグラスを抱えた。
おでん屋の一角だった。調理場を囲んで凹形になったカウンターの、入口のあたりにいま環はいる。隣にはファットガムがいて、もぐもぐと蒟蒻をほおばっている。
高架下にある店内は昼だというのにぼんやりと暗い。十人も入れば満杯になるだろう店内はカウンターと壁との距離が近く、ひとびとは先客のうしろを横歩きして席に着く。
水曜日の午後3時だった。サラリーマン風の男がふたり黙々と大根を食らう横で濃い化粧の老女がビールの大ジョッキを掲げ、さらにその向こうではちいさい女の子をまんなかにした家族連れがにこやかに箸を進めている。
furukaza_07
DOODLEお題ガチャ 本日の恋人たちさんで出たたまきの、きっと自分しか知らないであろう位置にあるほくろのことをたまきにも教えずにひとりじめするふぁっと
を書きました。
※ファットは疲れ果ててコミットしてます。
大人の秘密「俺、風邪引くから、温かくして待っとってなって言ったやん」
「……今日は早く帰るって言った」
やっとの思いで叶えた逢瀬だというのに、俺の恋人は拗ねていた。心当たりはいくつもある。久々に会えたというのに、緊急の仕事が入った。その帰りに市民の悲鳴が聞こえて、さらに仕事が増えた。
「寒いから、早くこっちに来てよ」
ブランケットから覗く素足に唾を飲む。いつの間に環はこんな悪い子に育ってしまったのだろう。テーブルに置かれたボディクリームは、俺が使っている香水と同じブランドのものだ。くれるなら、お揃いの香水がいいと環は拗ねたが、簡単に身につけられるものなんてやりたくなかった。手にとって、足先から、手先から、その白い首筋まで。環には時間をかけてじっくりと、自ずから俺と同じ匂いに包まれて欲しかった。
1277「……今日は早く帰るって言った」
やっとの思いで叶えた逢瀬だというのに、俺の恋人は拗ねていた。心当たりはいくつもある。久々に会えたというのに、緊急の仕事が入った。その帰りに市民の悲鳴が聞こえて、さらに仕事が増えた。
「寒いから、早くこっちに来てよ」
ブランケットから覗く素足に唾を飲む。いつの間に環はこんな悪い子に育ってしまったのだろう。テーブルに置かれたボディクリームは、俺が使っている香水と同じブランドのものだ。くれるなら、お揃いの香水がいいと環は拗ねたが、簡単に身につけられるものなんてやりたくなかった。手にとって、足先から、手先から、その白い首筋まで。環には時間をかけてじっくりと、自ずから俺と同じ匂いに包まれて欲しかった。