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PASTanzr 初出2023.4.斗メイ
居眠りするメイを見て、一思案する山神さんの真意。
我が事務所が誇る唯一のエトワールはいま、事務所の自席でうつらうつらと安らかな寝息を立てている最中だ。
手遅れと知りつつ(斗メイ) 彼女を置き去りにしたくないと、魂の底からの叫びが聞こえた。しかし本来ならば、柳顔を伏したメイくんに気がつかないふりをすることが正だとも思っている。我が事務所が誇る唯一のエトワールはいま、事務所の自席でうつらうつらと安らかな寝息を立てている最中だ。
気の利いた紳士ならば迷いなくエトワールを抱き上げて、彼女に与えられし魂の住処へと送り届けるところだろうが――僕にとっては身に余る行為とも言えよう。おそらく彼女も望んではいまい。
今メイくんが担う案件はまさに、全てが決着する大詰めの局面に突入している。時には一瞬の隙も許されず、神経を鋭く研ぎ澄ませ、その繊細な感性を全身全霊で注ぎ込む必要があるだろう。彼女の全てが、成功か失敗かという命運の分かれ道にかかっている。その道を容易く奪おうとは野暮というものだ。
880気の利いた紳士ならば迷いなくエトワールを抱き上げて、彼女に与えられし魂の住処へと送り届けるところだろうが――僕にとっては身に余る行為とも言えよう。おそらく彼女も望んではいまい。
今メイくんが担う案件はまさに、全てが決着する大詰めの局面に突入している。時には一瞬の隙も許されず、神経を鋭く研ぎ澄ませ、その繊細な感性を全身全霊で注ぎ込む必要があるだろう。彼女の全てが、成功か失敗かという命運の分かれ道にかかっている。その道を容易く奪おうとは野暮というものだ。