高間晴
PAST花たま家族。スーさんの口調が迷子なのは許してください…ガムテープ「パパー! これ取ってくださいですよー!」
帰宅したベールヴァルドに泣きついてきたのは、ガムテープを服や髪にくっつけたピーターだった。何事かと思いつつ半べそ状態の子供を抱き上げてやると、奥からティノが顔を出した。
「す、スーさん、おかえりなさい……」
ばつが悪そうにしている彼の髪にも貼り付いたガムテープを見て、ベールヴァルドは小さくため息をついた。
「……なじょした?」
ベールヴァルドはリビングのソファでピーターを膝に乗せ、服にくっついたガムテープを剥がしてやりながら、何があったのかを聞いた。
「パパに作ってもらったロボスーツで遊んでたら、腕のとこが壊れちゃったですよ」
ピーターが指さすのは、リビングの床に鎮座したダンボール製のロボットスーツ。先週の日曜にベールヴァルドがピーターの体に合わせて作ってやったものなのだが、今は右腕の関節のところがひしゃげてしまっている。
1714帰宅したベールヴァルドに泣きついてきたのは、ガムテープを服や髪にくっつけたピーターだった。何事かと思いつつ半べそ状態の子供を抱き上げてやると、奥からティノが顔を出した。
「す、スーさん、おかえりなさい……」
ばつが悪そうにしている彼の髪にも貼り付いたガムテープを見て、ベールヴァルドは小さくため息をついた。
「……なじょした?」
ベールヴァルドはリビングのソファでピーターを膝に乗せ、服にくっついたガムテープを剥がしてやりながら、何があったのかを聞いた。
「パパに作ってもらったロボスーツで遊んでたら、腕のとこが壊れちゃったですよ」
ピーターが指さすのは、リビングの床に鎮座したダンボール製のロボットスーツ。先週の日曜にベールヴァルドがピーターの体に合わせて作ってやったものなのだが、今は右腕の関節のところがひしゃげてしまっている。
高間晴
PAST昔に書いた菊アルです。国名で書いていたのを人名に直しました。夏をダラダラ過ごす二人。
如何物食い クーラーの効いた部屋で、菊は畳に寝転がったまま漫画を読んでいた。締め切った窓ガラスを通して蝉の声が聞こえている。この季節になると日中に出歩くのは自殺行為だとさえ思える。それは隣にいる彼も同じらしく、このところはゲームばかりやっている。今テレビ画面に映っているのは剣と魔法の中世ファンタジー世界。お決まりのジングルが響いて戦闘画面のBGMに切り替わると、アルフレッドが引きつった悲鳴を上げた。
「うわっ、Devil Fishだぞ!」
「――ああ、クラーケンですか。それには炎系がよく効きますよ」
人間くらいは丸飲みにしてしまいそうな巨大なイカが、画面狭しとその脚をのたくらせている。それを見て、菊は以前から気になっていたことを思い出した。
1811「うわっ、Devil Fishだぞ!」
「――ああ、クラーケンですか。それには炎系がよく効きますよ」
人間くらいは丸飲みにしてしまいそうな巨大なイカが、画面狭しとその脚をのたくらせている。それを見て、菊は以前から気になっていたことを思い出した。