あかまつのにゑもん@2次
DOODLE副ライ、ベックからのアクションver前に吐き出したライムさん妄想上でのライムさんでお送りしてます。
※雷紋(電気によるケロイド)あり。
2024.02.04 加筆修正とオマケ追加 9
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DOODLE🔫夢湯気の立つ/ゆっくりと/身体の芯から朝、食堂へ向かう途中でバニラのような蜂蜜のような甘い香りがかすかに香った気がした。海賊船にあってそんな香りをさせる男などいるはずもなく唯一の女船員の顔が浮かんだベックマンは自然と周囲に彼女の姿を探していた。
「ベック、何か探してる?新聞なら食堂のテーブルにおいてあったよ」
背後からかけられた声にその香りが一層強くなったのを感じてやはりこの香りの元は彼女だったのだと確信を得る。
「いやもう見つけた」
「そう?ならいいけど」
「あァ、おまえさんをな探してた」
「なんで?」
正対した彼女を外套の中に迎え込むとベックマンはそのまま彼女を隠すように抱き込める。幾分か低い位置にあるその細い首筋に甘えるようにすり寄るとベックマンは呟く。
2274「ベック、何か探してる?新聞なら食堂のテーブルにおいてあったよ」
背後からかけられた声にその香りが一層強くなったのを感じてやはりこの香りの元は彼女だったのだと確信を得る。
「いやもう見つけた」
「そう?ならいいけど」
「あァ、おまえさんをな探してた」
「なんで?」
正対した彼女を外套の中に迎え込むとベックマンはそのまま彼女を隠すように抱き込める。幾分か低い位置にあるその細い首筋に甘えるようにすり寄るとベックマンは呟く。
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DOODLE🔫夢あっという間/次の約束/名残惜しげになにかが触れては離れていく感覚にゆっくりと意識が浮上していく。まどろみの中それが何なのか手繰り寄せようとした。
「ふ、はは」
伸ばした手に触れたのはぬくい唇だった。ふにふにと手遊びしているとぱっくりと口が開けられてぺろりと指を舐めらる。普段なら淫靡な刺激ともとれるそれだが今回に限ってはまだ意識がまどろみの中にあるせいか彼女はくふくふと笑うばかり。そのあとも唇は彼女の瞼や鼻、頬なんかに触れては離れてを繰り返すが彼女はどれも時々くすぐったそうに笑うばかりで目を開ける気配がない。
「お嬢さん、そろそろ目を開けてほしいんだが」
戯れを続けながらベックマンは起床を促す。
「じゃあキスして、唇によ?」
ベックマンが意図的に避けていることに気づいたらしい彼女がようやくそれを強請ってきたのでベックマンはしめしめと思った。
1198「ふ、はは」
伸ばした手に触れたのはぬくい唇だった。ふにふにと手遊びしているとぱっくりと口が開けられてぺろりと指を舐めらる。普段なら淫靡な刺激ともとれるそれだが今回に限ってはまだ意識がまどろみの中にあるせいか彼女はくふくふと笑うばかり。そのあとも唇は彼女の瞼や鼻、頬なんかに触れては離れてを繰り返すが彼女はどれも時々くすぐったそうに笑うばかりで目を開ける気配がない。
「お嬢さん、そろそろ目を開けてほしいんだが」
戯れを続けながらベックマンは起床を促す。
「じゃあキスして、唇によ?」
ベックマンが意図的に避けていることに気づいたらしい彼女がようやくそれを強請ってきたのでベックマンはしめしめと思った。
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DOODLE🔫夢厄介な/待っていて/ぐずぐず「おはようございます」
ちょうど椅子に掛けた彼の頭に声をかけると「あァおはよう」と短く返事が返ってくる。今朝も彼は煙草の灰を積もらせて新聞に目を通していた。私の一日は朝刊をこのテーブルに載せておくことから始まる。ついでなんてふりをして彼に朝の挨拶をするのも忘れずに。なおも煙をくゆらせる副船長に、すこしくらいこっちを向いてよなんて思っていた頃が懐かしい。厄介なこの恋心を抱え始めたのはいつだったかいまではもう思い出せない。いつの間にか好きになっていたのだ。なんてありがちでべたな話だと我ながら思う。
第一印象は海賊らしいデカくておっかない顔した人だと感じてた。でも実際は怖い時もあるけど理不尽に怒ることなんてなかったしあの低く穏やかな声が不思議と優しく聞こえてくるようになるまでそう時間はかからなかったと思う。
2560ちょうど椅子に掛けた彼の頭に声をかけると「あァおはよう」と短く返事が返ってくる。今朝も彼は煙草の灰を積もらせて新聞に目を通していた。私の一日は朝刊をこのテーブルに載せておくことから始まる。ついでなんてふりをして彼に朝の挨拶をするのも忘れずに。なおも煙をくゆらせる副船長に、すこしくらいこっちを向いてよなんて思っていた頃が懐かしい。厄介なこの恋心を抱え始めたのはいつだったかいまではもう思い出せない。いつの間にか好きになっていたのだ。なんてありがちでべたな話だと我ながら思う。
第一印象は海賊らしいデカくておっかない顔した人だと感じてた。でも実際は怖い時もあるけど理不尽に怒ることなんてなかったしあの低く穏やかな声が不思議と優しく聞こえてくるようになるまでそう時間はかからなかったと思う。
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DOODLE🔫夢クリスマスの朝の話クリスマスイブに突然帰ってきた彼氏と過ごす
カーテンを開ける音、差し込む日差し、それから隣にないぬくもり。
「ベックもうおきたの?」
窓辺にいるであろう彼に声をかけた。
「あァいい。おまえさんはもう少し寝てな」
彼の低い声が眠気を誘ってくる。
「昨日は随分頑張ってもらったからな。今朝はおれに全部やらせてくれ」
言葉の前半部分は正直恥ずかしい気持ちで聞いていたが後半部分はいまいち意味を図りかねた。
全部やらせてってなんのことだろう。
「いいからもうひと眠りしてな。お姫様が起きるにはまだ早い」
この人はすぐに歯の浮くような台詞を吐くけれどそれに慣れつつのあるのだから私も大概だ。
重たい瞼をどうにか少し持ち上げてあとで起こしに来てくれるかと尋ねるともちろんだと返ってきたので「じゃあおやすみなさい」とお決まりの挨拶をしてストンとまた眠りに落ちた。
1375カーテンを開ける音、差し込む日差し、それから隣にないぬくもり。
「ベックもうおきたの?」
窓辺にいるであろう彼に声をかけた。
「あァいい。おまえさんはもう少し寝てな」
彼の低い声が眠気を誘ってくる。
「昨日は随分頑張ってもらったからな。今朝はおれに全部やらせてくれ」
言葉の前半部分は正直恥ずかしい気持ちで聞いていたが後半部分はいまいち意味を図りかねた。
全部やらせてってなんのことだろう。
「いいからもうひと眠りしてな。お姫様が起きるにはまだ早い」
この人はすぐに歯の浮くような台詞を吐くけれどそれに慣れつつのあるのだから私も大概だ。
重たい瞼をどうにか少し持ち上げてあとで起こしに来てくれるかと尋ねるともちろんだと返ってきたので「じゃあおやすみなさい」とお決まりの挨拶をしてストンとまた眠りに落ちた。
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DOODLE🔫夢クリスマスイブの話「メリークリスマス!」どこかから聞こえてきた客引きの声にそうか今日はクリスマスイブかと思い至る。そうと気づけば街行く人たちの手に有名店のショップバッグやケーキ店の箱があるのが目に付いた。
「いいなァ」
思わずこぼれた独り言は寒空に吸い込まれていく。子どもかそれか恋人をもつ人たちにとっては特別な夜になる日だとすっかり気づきもせず今日一日、仕事をして過ごした。
とはいえ、私にも別に彼氏がいないわけではない。ただ私と違ってお偉いさんで日々忙しくしているだけのこと。彼ことベックマンは先週から海外出張だとかで帰りは年始になると聞いていた。
帰りついたとて暗く寒い部屋でぬいぐるみたちが私を待っているだけなんだよなァと虚しさに浸りながらとぼとぼ歩いてようやくマンションの前に着いた時、私の部屋に明かりがついているのが見えた。
995「いいなァ」
思わずこぼれた独り言は寒空に吸い込まれていく。子どもかそれか恋人をもつ人たちにとっては特別な夜になる日だとすっかり気づきもせず今日一日、仕事をして過ごした。
とはいえ、私にも別に彼氏がいないわけではない。ただ私と違ってお偉いさんで日々忙しくしているだけのこと。彼ことベックマンは先週から海外出張だとかで帰りは年始になると聞いていた。
帰りついたとて暗く寒い部屋でぬいぐるみたちが私を待っているだけなんだよなァと虚しさに浸りながらとぼとぼ歩いてようやくマンションの前に着いた時、私の部屋に明かりがついているのが見えた。
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DOODLE🔫夢1220「寒いなァ」
はぁと息を吐いたり手を擦り合わせてどうにかこうにか暖をとろうと動くその小さな背中にひとつの影が近づく。
「あっためてやろうか」
その大きな体躯でぐるりと包み込むように背後からのしかかってきたのはこの船の副船長、ベン・ベックマンだった。
「副船長、どうしたんですか。交代時間でも無いしそもそも次の見張り番は副船長じゃないですよね」
「そうツレねぇこと言っていいのか?」
そう言って副船長はちゃぷりと手元の瓶を揺らしてみせた。
「このクソ寒ぃ中頑張ってるお前さんにと思ったがそーか要らねェってんなら」
「いります!飲みます!ください!寒い!」
「正直で結構。ならここに座ってくれ」
ここ、と示されたのは三角座りした副船長の膝と膝の間。
1068はぁと息を吐いたり手を擦り合わせてどうにかこうにか暖をとろうと動くその小さな背中にひとつの影が近づく。
「あっためてやろうか」
その大きな体躯でぐるりと包み込むように背後からのしかかってきたのはこの船の副船長、ベン・ベックマンだった。
「副船長、どうしたんですか。交代時間でも無いしそもそも次の見張り番は副船長じゃないですよね」
「そうツレねぇこと言っていいのか?」
そう言って副船長はちゃぷりと手元の瓶を揺らしてみせた。
「このクソ寒ぃ中頑張ってるお前さんにと思ったがそーか要らねェってんなら」
「いります!飲みます!ください!寒い!」
「正直で結構。ならここに座ってくれ」
ここ、と示されたのは三角座りした副船長の膝と膝の間。
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DOODLE🔫夢1217今朝は凍えるような寒さに目を覚ました。もうすぐ冬島の海域に入ると聞いてはいたが冬とはこんなに寒かっただろうか。久々に冬島に入るせいもあるだろうが冬島の冬にあたるとも聞いたからやはり特別寒く感じてしまうのも仕方ないのかもしれない。
「うーさぶさぶ」
服を着込んでもまだ寒い。身体を芯から温めるならばと食堂に足を向けた。
「よォ」
聞き慣れたその声の主ベックマンはこちらが見ていて寒くなるような格好、普段通りの黒いシャツに唐草模様のマントといった出で立ちでぷかぷか煙草をふかして現れた。
「寒くないの?」
「……そういえば寒いな」
「もしかしなくても寝てないでしょうベック。最近寝たのいつ?」
「少なくとも夜番の後は寝たはずだ」
1578「うーさぶさぶ」
服を着込んでもまだ寒い。身体を芯から温めるならばと食堂に足を向けた。
「よォ」
聞き慣れたその声の主ベックマンはこちらが見ていて寒くなるような格好、普段通りの黒いシャツに唐草模様のマントといった出で立ちでぷかぷか煙草をふかして現れた。
「寒くないの?」
「……そういえば寒いな」
「もしかしなくても寝てないでしょうベック。最近寝たのいつ?」
「少なくとも夜番の後は寝たはずだ」