The past that might have happened「五条先生は、どうして最強になろうと思ったんですか」
殴られて蹴り飛ばされて、満身創痍で寝転がっていた優秀な教え子は、まるで極普通の質問のようにその言葉を口にした。そんな質問をされる日が来るなんて、想像さえしたことのなかった五条悟は、一瞬思考が止まり「なんて?」と聞き返す。
晴天のグラウンドは日差しを遮るものがなく、春先のこの時期でも日差しがあるとジワリと汗が浮かぶほど暑い。
そんな中、五条と乙骨憂太は一対一での特訓を行っていた。
すでに憂太は呪術高専二年生となり、五条は担任ではない。それでも、五条は二年生担任の日下部公認で、時折憂太の特訓相手をしていた。
日下部曰く
――あんな化け物呪力の扱いなんて、俺に教えられるか
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