スクレイパー 五月十九日(月)
朝、目玉焼きとハムを焼いた。
トメは七時に起きてきて、食卓を見て「えー」と言った。三十六歳には重いメニューだったらしい。
学校へ行くと杉元が俺の周りをクンクン嗅ぎ回って「ハム」と言い当てた。うざい。
昼は調理実習でカレーを作った。学校のキッチンはピカピカだ。掃除用のブラシや洗剤が沢山置いてあった。とくにコンロがピカピカだった。
家庭科のキラウシは「毎週火曜日とか、毎月一日とか、決めてやるといい」と言っていた。うちのコンロは一度だって磨かれたことがない。トメも考えたことはないと思う。
カレーはにんじんがホクホクしていて甘くて美味かった。時間がないときは根菜を薄切りで炒めて載せても美味いとアシリパが言っていた。
3126