大尉同盟 アーノルド・ノイマンはザフト軍基地内にあるバーの前に来ていた。
ここか?と思いながら、少し重そうな木のドアを押す。
アンティーク調のドアベルがチリンと上品に鳴った。
間接証明とジャズの音で大人な空間を演出している店内は、ザフトの軍服を纏った者たちで賑わっていた。
数人がちらちらとドアに視線を向けている。
コンパスの制服がまだ完成していないため、オーブ軍の制服を着ているノイマンは、いささか場違いな気がして思わず一歩後退した。
もちろん、許可を得てこのエリアに足を踏み入れている身ではあるが。
「ノイマン大尉」
淡い金髪を後ろに流した黒服の青年が、ひょいっと手をあげて手招きをしているのが見えた。
「遅くなってすまない」
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