キメ学実弥お誕生日小説(全年齢)「さねみ〜ん!」
「不死川先生と呼べェ……はい、何?」
キメツ学園――そこで数学教師をやっている俺、不死川実弥は昼休みに廊下で受け持ちのクラスの派手な女子生徒二人から話しかけられていた。コイツらは何度言っても俺のことをあだ名で呼びやがる。
「は〜い、不死川せんせぇ、今日誕生日なんだって〜? クラス中その話題で持ちきり!」
そう、今日十一月二十九日は俺の誕生日であった。誰にも言ってないのにこの噂の回りよう……宇髄だな、と犯人に目星をつけて頭の中でデコピンをする。
「トミセンから祝ってもらった?」
ニヤニヤとした顔で女子生徒から言われた。
トミセンこと体育教師の冨岡義勇は、俺の恋人だ。このキメツ学園に新卒で入った同期で、今年で付き合って三年、同棲して二年になる。
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