もう怖くないよ「くそっ……本当にキリがないな」
ショットガンの弾をリロードしながら、この終わりのない状況に対して悪態をつく。倒しても倒しても湧いてくるギャザード。一つ一つの個体はたいして強くないが、数が多い。ゆえにこちらの体力や弾がいつ切れる分からないという状態だ。なんとか見える範囲の敵は全て倒し、安全なところへ避難させていたモランくんの元へ向かう。
「モランくん、大丈夫?怪我してない?」
厳重に作っておいたバリケードを退けて、大人しく隠れてくれていた彼に話しかける。だが、彼からの返事は無い。不思議に思って彼の姿をよく見ると顔は青ざめているし、首にかけていたヘッドホンは頭に付けていて完全に耳を塞いでいる。まるで、何の音も聞きたくないといわんばかりに。
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