Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    れん🦐

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐳
    POIPOI 35

    れん🦐

    ☆quiet follow

    学パロ🐳🦐。両片思いだと自覚してるけど付き合ってない、ややこしいふたり






    休日の昼下がり。部屋主が皿を洗う水音を聞きながら一人暮らしに相応のシングルサイズのベッドの上に転がり、手持ち無沙汰で天井を見つめる。
    …本人には絶対に言ってやらないが今日は何となく朝から顔を見たい気分になり、正午前にアパートを訪れて昼食を作ってやった。食べている最中に、天気も良いからこの後出掛けようかと提案されたが、こうして一度横になると起き上がるのも億劫になってしまう。
    本格的に眠気を催し始めた頃、待ち侘びた扉の開閉音が聞こえた。気配が近付き、もう一人分の体重が乗った事でベッドが軽く軋む。
    「シーツ替えたばっかりやから、気持ちええやろ?」
    洗い物が済んだらしい部屋主が寝転んだままのオレの傍に腰を下ろして、ふわりと笑う。所有者を差し置いて寝床を独占するのは流石に気が引けて身体を起こそうとしたが、それを制止するように手の甲で優しく頬を撫でられる。
    「…ちょっとだけ昼寝しよか?」
    「出掛けるんじゃなかったのかよ」
    「天気ええから眠たくなってきたわ」
    さっきと言ってる事が違うじゃねーか。そう指摘すると、コイツはとぼけながらいそいそと隣に横たわる。
    「…おい、待て。このまま寝るのか?」
    「あかん?」
    コイツのベッドは一人用であって、体格の良い男二人を乗せるようには作られていない。つまり、とんでもなく狭い。その為いやでもお互いの身体が触れ合う。
    「…ベッド使いたいなら…オレが退く、から」
    どうしても意識してしまうこの状況に普段低いはずの己の体温が少しずつ上がっていくのが分かる。居た堪れなくなって、いっそ離れようとしたが。逃がさないと言わんばかりにすかさず背後から腕を回され、抱きしめられる。
    「ちゃうくて、一緒に寝たい」
    そして、甘えるような声でそう言われて。どう答えればいいのか言葉が浮かばず、黙り込んでいると。
    「ジェット」
    抱きしめている腕に更に力を込めて、耳元で名前を呼ばれる。そのまま首筋に唇を押し当てられ、思わず身体が小さく震えてしまう。その反応を見逃すような奴ではなく、間を置かずに皮膚を甘噛みしながら唇はうなじから肩へ緩やかに移動していく。
    「ッ…わかった…って」
    触れる度に上擦った声が出そうになるのを堪えながら、やっとの思いで返事をすると。オレの了承を得て気が済んだのだろうか、腕の力が弱まり身体を解放された。
    乱れた呼吸を整え、文句のひとつでも言ってやろうかと後ろを向けば、悪戯っぽく笑う顔が視界に入る。
    「ん?もっかいぎゅーする?」
    「しねぇよ」
    こっちの気も知らないで楽しげな表情をする姿を見ていたら何だか腹が立ってきた。その顔に枕を投げつけて、さっさと寝ろ、と言い捨ててやる。だがコイツは気にする様子もなく「おやすみ」と言って、呆れるほど大人しく眠りについた。
    「…………」
    急に静かになった部屋で自分の心音だけが聞こえる。未だ平静を失っているなんて気付かれたくなくて胸を押さえながら眠ろうと目を閉じてみるが、先ほどまでの心地好い眠気はすっかり何処かにいってしまった。多分、昼寝はできそうにない。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏🙏🙏🙏💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works