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    水仕事を終え部屋に戻ってきたジェットは己のスクールバッグから可愛らしいデザインのハンドクリームを取り出す。そんなの持っていたかと不思議に思い問うと、どうやら西ちゃんからプレゼントされたモノのようだ。
    「いらねぇって言ったのに。黙って塗っとけって投げつけられた」
    料理が趣味であるジェットの手が荒れやすいのを気遣っての事だろう、ぶっきらぼうだが西ちゃんらしい優しさだ。その光景を思い浮かべると自然と口元が緩む。
    「なにニヤニヤしてんだよ」
    「内緒。…それより、塗ったろか?」
    冗談っぽく持ち掛けてみるとあからさまに苦い顔をされたので拒否されるかと思ったが、意外にも素直に投げ渡してきた。なら遠慮なく、と傍に腰を下ろす。
    差し出された両手にクリームを適量つけると微かに甘い香りが鼻を掠める。その匂いを楽しみながら手の平をゆっくりと滑らせ全体に伸ばし、体温で馴染ませていく。手首から指先まで余す事なく丹念に塗り込み、仕上げに軽くマッサージをしていると。何故かジェットは終始無言のまま顔を伏せていた。どうしたのだろう。何となく気になって覗き込むと、薄っすらと頬を赤く染め、眉を顰めて何かに堪えるように唇を固く結んでいる姿が目に映った。
    …しまった、見るんじゃなかった。扇情的にも思えるその表情に言い知れない衝動が腹の奥底から湧き上がる。するとこちらの不穏な空気を感じ取ったのか、咄嗟に手を離そうとしたので逃れられないよう握る力を強めて、親指で手の平を擦り上げる。瞬間、ぴくりと肩が小さく跳ねるのが見えた。
    「まだ終わってへんで」
    嘘だ。もう明らかにクリームを塗る為の手つきではないのだが、今のジェットに指摘する余裕は無さそうだった。それをいい事にすっかり滑らかになった手を次は堪能する目的で好き勝手に触り続ける。指の間を執拗に擦ったり、骨張った部分を緩々となぞってもどかしい刺激を与えれば、眉間の皺は一層深まりオッドアイの瞳がじわりと濡れていく。
    「…手ェ弱いんか?」
    「う、るさい…ッ」
    追い打ちをかけるようにお互いの指を絡ませながら顔を近付けて揶揄ってみると、すかさず睨みつけられるが、涙目では全く凄みはない。そんな顔を見せられても抑え込んでいる情欲を逆に煽るだけだ。
    しかし同時に悪い事をしている気分にもなってきて。本当はこのまま…なんて宜しくない考えをどうにか振り払い、まだ辛うじて残っていた理性に任せて繋いでいた手を離す。途端緊張が解けて力が抜けてしまったらしい身体を支える程度に抱き寄せる。…少しやり過ぎたか。謝罪の意味を込めて背中をさすりながら小さくゴメン、と告げると、返事は無いものの抵抗せずに体重を預けてきた。怒ってはいない、という事だろうか。
    「塗って欲しくなったら、いつでも言うてな」
    「……絶対イヤだ」
    ならばと再度申し出てみると、大人しく抱きしめられてはいるが今度はハッキリと言葉で拒否されてしまった。まぁ当然か、と納得して密かに自嘲した。



    だが後日再びジェットが訪れた際、あのハンドクリームの容器が分かりやすく目に付くところに置かれていて。お誘いなのか試されているのか、真意は定かではないが期待には応えてやらねば。捻くれた可愛らしい行為に愛おしさを覚えながら、それを手に取り持ち主の名を呼んだ。
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