槍使いの弟子「文官家軍人が揃って何の用だ」
「槍の名手としてのお前の力を借りたい。鍛えて欲しい人物がいる」
「──誰だ」
「我々が仕えるツェアフェルト家の嫡男のヴェルナーさまだ。御年十二歳になる」
「はぁ 三本槍の一人と言われる、この俺に、貴族の坊ちゃんの相手をしろと ふざけんな」
「槍のスキルを持っている。実践的な槍の使い方を教えて欲しいと、ヒマさえあれば教えを講いに来られる、とても熱心で、頭の良い方だ。強くなると誰もが期待している。力を貸して欲しい」
上級貴族の若様だろうと、手加減する気は一切なかった。
泣いて許しを乞おうと、徹底的に叩きのめして、力の差を分からせてやる。
そう思っていた。
その小僧の目を見て、考えを改めた。
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