偉人お悩み相談室!「ねぇねぇ!南!今日どの本借りた?」
「えっとね、今日借りた本はこれと・・・」
「あ!その本私も見たよ!その本、すっごく面白かったんだよ~!」
「へー!そうなんだ・・・!」
私の名前は日暮 南。どこにでもいるごく普通の中学2年生だ。
ありがたくも「学校一の歴女」とみんなから言われている……要は「歴女」というやつだ。
「? どうしたの?南?」
「あ、いや……なんでもないよ莉奈」
隣にいるのは親友兼歴女仲間の小宮山 莉奈。1年生の時に同じ歴史好きだとわかり、それ以来すっかり意気投合した。今では一緒に図書館に行って歴史の本を借りたり、歴史のことに関する知識や考察を披露しあう仲だ。
「ただ、莉奈が日本史の本も借りてたんだなぁ、って」
「しつれーな!私だって日本史の本を読むことだってありますぅ。ていうか、それを言うなら南も世界史の本借りてるじゃん!」
「うっ・・・」
・・・まぁ、莉奈は世界史、私は日本史が好きなんだけどね。
莉奈と友達になってからというもの、こうしてたまに世界史の本を借りることがある。
「……あ。南!信号変わったよ!」
待っていた信号が青に変わり、莉奈は我先にと横断歩道を走った。
「あっ、莉奈!待ってよ~!」
私もその後を追いかける。
そこに、一台の車が突っ込んできた。
「えっ・・・!?」
「うわぁぁぁぁ!!」
ドンッ!
突然のことに驚き、私も莉奈も反応ができなかった。
私の横に倒れているであろう莉奈から血が出ているように見えた。
意識が朦朧として、ぼんやりとしか見えない。
「り、な・・・」
それが、最後の光景だった。