前世から超絶完璧人間だったのだ。
花のかんばせと言えるほどに完璧なパーツが完璧に配置された顔に
痩せぎすな気はあれどもそれすら魅力的な長身痩躯
知能だって知識だって僕がその深度を計りかねるほどには深く濃い。
そのくせに奢らずにはんなりと「僕だってまだまだだよ」なんて笑いながら他人を慮る人間ではあるので
(今回もできない事なんてない、か)
それを残念に思うのは酷いことだろうか?
それを恐怖に思うのは馬鹿らしいだろうか?
馬鹿だと思われても構わないし、酷い人間なのは自覚がある。
それはきっとあっちゃんも同じだった。
(もう一度なんて、冗談じゃない)
血濡れの身体
何も知らされず、頼られず。
ただ結果だけをもって『君たちは幸せになって』だなんてされた前世の二の舞はごめんだったから。
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