引き止める、その手の温もり「...っ」
身体が重い。
窓からは外の光が差し込んでいる時間だと言うのに身体は未だベッドの上で横たわっていて、自分の意思に従わないかのように重くなっていた。
この状況をよく知っている。
今日の予定は特に無いが少なくともやるべきタスクはあると言うのに、身体は熱を帯びて頭の回転を鈍らせていた。
ビビアンは?
今の相棒を脳裏に思い浮かべ、情けない姿を見せることになるが、少なくともこの状況がマシになるだろうと思ったところである事を思い出す。
彼女は朝早くからバイトがあるのだった。
彼女には頼れない、とわかってはため息が漏れる。ずっとこうしては居られない、と思った俺は身体を起こしてはベッドから地に足を着いて立ち上がり歩き出そうとした瞬間。
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