フライの訓練生時代の話なんかやらかしたフライがハードに「いいかげんにしろ!」ってマジで怒られて、それをみたフライに恨みのあるヤツらが「今なら先輩にも見放されてる、やっちまえ!」
って物陰に連れ込んでれーぷするんだけど、最初はなんだか分かんなかったフライがスリットを乱暴にされたり殴られたり大きい声で怒鳴られて興奮状態になって、
今までにないくらいぐちゃぐちゃにするほど酷い殺し方をして。
そのままそこから動けずにいたら消灯時間を過ぎても部屋に戻って来ないから探しにきたハードに見つかって。
血みどろの惨状に「ついにやったか」と思ってフライをよく見たらなんも着てないし色んな液体でベトベトになってて。
「おい…なにが、あった…?」
「…ちかづかないでくれ」
「大丈夫だ、なにもしやしない。」
「ちかづかないで。あぶない。」
「…なあ、分からないか?俺だ、同室の、ハードだ。」
「わかる。ハード、こないでくれ。あぶない、おれは、あぶない。」
「そ、れは…」
「きもちがよかった。」
「…防衛本能の一種だろう、乱暴にされたとはいえ、性感を刺激されたんだ。多少感じても恥じることは」
「ぐちゃぐちゃになるまで、にくをつぶすの、きもちが、よかったんだ、ハード。」
「…」
「ありがとう、ハード。おなじへやに、なってくれて。でも、もういい。」
「…よくない。」
「ほんとはいやだったってしってる。わかる。オレは、こわれたシャケだから。…もう、いなくなるから、だいじょうぶ。ありがとう、ハード。」
「…よくないと、言ってるだろう」
死骸を踏み潰してフライに近づくハード。後ずさるフライ。
「っ、ハード、ハード、あぶない。」
「お前が、危ないわけないだろう…!」
逃げようとするフライを抱えるように捕まえるハード
「だ、だめだ、ハード、あぶない…」
「危なくない!俺が、俺が少し目を離しただけで、こんな、こんな酷いことを、されるようなヤツが、危ない、わけ、ないだろう…!!」
「?ひどいことは、オレがした…」
「違うと言っているんだ!…さっきも言っただろう、防衛本能だと。お前は、身を守っただけだ。」
「でも、でも、オレは…」
「誰が悪いと言えば、俺が悪い。お前から目を離した、俺の監督不行き届きだ。」
「でも…」
「…それでも納得がいかないなら、時間をくれ。俺が卒業する、半年後まで。」
「そつぎょう…」
「ああ。それまでは間違いなくお前の先輩だからな。みっちり指導してやるさ。それでもいなくなりたいっていうなら俺が先輩としてダメだったって話だ。」
「そつぎょう…」
「…話聞いてたか?」
「きいてる…。ハード、そつぎょうするのか…?」
「そりゃ順当にいけばな…」
「ハードが、いなくなる…?」
「ああ、その後は、お前が先輩として後輩を指導するんだからな。」
「…オレ、ハードがずっといると、おもってた…」
「おい勘弁してくれ…一回で卒業出来ないほど間抜けじゃないつもりだ…。それとも何か?俺が居なくなると寂しいのか?」
「…」
「図星か」
「…わからないと、おもっただけ。」
「嘘つけ。お前、わからないときはすぐ分からないって言うだろうが。全く、何が、もういなくなる、だ。こんな寂しがりの癖に。…後輩は甘えるのも仕事のうちだ、なんでも相談しろ。ホウレンソウってやつだ。」
「…ホウレンソウ?」
「ああ、陸の草らしい。」
「…りくのくさ。」
「俺も詳しくは知らんが、旧霊長類の慣用句で、相談して欲しい時に言う文句だそうだ。」
「きゅうれいちょうるいのしんぴ…?」
「神秘でも新品でも構わないが。とにかくお前は俺に相談しろ。なんでもだ。いいな?」
「…わかった。」
「よし。…じゃあこの惨状を報告に行くか…」