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    okm_tmsb

    @okm_tmsb

    自探索者長編やif話はエブリスタにてhttps://estar.jp/users/61829929

    短編とセッションバレorシナリオバレのあるものを
    ポイピクにて取り扱っています。

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    okm_tmsb

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    澪川カナリアの話。
    シナリオバレなし!
    初めての神父、聖職者くん。
    突発に完成して、シナリオ行ってきました!!!
    今後にめっちゃ期待✨

    捥がれた羽籠の中の鳥。
    それはカナリアの事だった。

    愛玩鳥として古くから愛でられ、繁殖に必要な巣引きは修道院の僧のみに許されていた時期もある。
    容姿が、鳴き声が、と。色々な形で人の思う形を辿ってきて今に至るが、今に話すカナリアはそのカナリアのことではない。

    美しく反射するステンドグラスの日を浴びて、神々しく建つ神々の像へと祈りを捧げる1人の男。
    澪川カナリア。
    それがこの教会の神父の名前だった。

    籠の中の鳥。とは、まさにカナリアの事である。
    彼は両親の厚い信仰心の元で育ち、神父としての職以外など考えず、ただ盲信的に神に尽くした。
    それは美しき心の源となり、彼自身の支えとなった。

    彼にとってはそれだけで、充分だった。

    「神の言葉に耳を傾け、己を律し、清くある事。
    それが自分にある使命なのです。」

    聖書を片手に、ふわりと彼の長い白髪が揺れる。
    閉じたままの瞳は、何処かを見据えているようで、しかし、何も視ていないようでもあった。

    彼は籠の中にいた。
    それ以上もそれ以下もなく、それが全てだ。

    「何か願いはありますか?
    何か懺悔はありますか?」

    それが神父の役目であるからと、彼は願いも懺悔も聞き届ける。
    にこりと笑った表情を一つも崩さずに、飾りのようなモノクルの越しに話し続ける。

    「祈りましょう。
    神は見てくださっていますよ。」

    手を伸ばす。
    その手を取るならば、彼は人を正しく導くだろう。
    籠の中の鳥は、いつか放たれる時を待つ。
    カナリアは出て行くつもりなどないけれど、いつか、律した心と、強い感情の揺れを計りに掛けて、傾いた瞬間が岐路となる。

    カナリアは童話で語られるような、か弱い鳥ではない。
    カナリアは、果たしてどうだろうか。
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