願わくばずっと傍で義勇は炭治郎に手を出さない。
手を出して貰えないのは自身が幼すぎるが故に魅力がないのではと悩み、義勇の好みになりたくて炭治郎は必死だった。
積極的な方がいいのか、控えめな方がいいのか。様々な雑誌を読み漁り、インターネットでも様々なことを検索していくが何をやっても変化はなかった。
放課後の静かな生徒指導室。今朝方、義勇によって没収されたピアスを受け取りに炭治郎は向かった。夕陽が射し込み、カーテンがなびいている。
そこの席へ着席し、反省文を書くようにと原稿用紙を二枚手渡された。
「え!二枚も書くんですか?!」
「お前な、何回目だと思っている」
「うっ。書きますよ」
カリカリと鉛筆で文字を紡いでいく。
静かな生徒指導室にふたりきり。
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