学パロSS 転校してきた伊藤ふみやという高校三年の生徒は睡眠障害の影響で留年し、現在は十九歳だ。養護教諭として天堂天彦は彼のサポートを学校側から依頼された。
以前の学校ではそういったサポートが乏しく、むしろ養護教諭が伊藤ふみや相手に問題を起こしたのだと、それを本人から聞いて頭を抱えてしまった。
両親は海外赴任なのでセキュリティの高いマンションに一人暮らしをしているのだと彼は淡々とした様子で語っていた。以前の養護教諭は、そこに押しかけて性的な意味で当時十八歳の彼に迫って警備員に捕まったそうだ。
「天彦センセ、休ませて」
不思議な、達観したようでいて幼さを持つ可愛らしくもミステリアスな雰囲気のふみやにそういった感情を抱く気持ちは分からなくはない。
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