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    ライカ犬

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    天生麻菜

    PROGRESS自分への尻だたきに。
    5月の叡智で出す綾人蛍のお話。
    綾人さんに許嫁の話がでて、裏に潜まれた策略を蛍ちゃんに許嫁のフリをしてもらい探すことになるが…といったお話。本編は3部構成。本になる時は今まで書いた前後のお話の再録とその後のお話2つを書き下ろし予定です。
    監禁の話でもあるので苦手な方はご注意ください。
    2以降はR-18の内容を含むのでフォロ限にさせて頂きます。
    idola1(綾人蛍)equal


     パキン、と固い金属音が室内に響く。
    音を立てて壊れた銀の輪は、無機質に、重力に逆らうことなく床へと転がり落ちた。
     それは、枷だ。自らの首に嵌められていたそれは、逃げられないようにとこの優しく歪な鳥籠に閉じ込めるために付けられていた。突然壊されたそれを、少女は呆然と眺めることしかできない。目の前に立つ淡い水色の髪を持つ男性は静かに愛刀を携えていたが、宙へ手放すと刀は虚空へ光となって消える。
     銀の輪は彼によって破壊された。彼に、付けられたのに。
    「……これで、貴方は自由です」
     彼女を見つめる瑠璃色の瞳には葛藤と執着と、隠し切れない情が見えている気がして。
     この人の瞳は、こんなにも感情がわかりやすかっただろうか、と呆然とした思考のまま少女は思う。
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