Memory6「記憶は戻っているのだな。」
「あ?テメェいつから起きてた?」
「?ついさっきだが…。」
「ならなんで記憶があること知ってんだ。」
「テメェと言っただろう。」
あー…確かに記憶がない時は兄さんって呼んでたか。判断基準そこかよ。
「…悪かったよ。」
「なにがだ?」
「テメェの言いつけ守らねぇで人質に取られたことだよ。」
こいつがしたのは余計な怪我だ。たぶん討伐任務だって無傷で終えたんだろうに、俺が人質になんてなったから腕まで折られている。
「いや、そもそもあれらの目的は私だろう。お前は一方的な被害者だ。謝罪の必要はない。」
「そーかよ。」
「お前があれらを招き入れたのは意外だが、お前はそう迂闊なタイプではない。それ相応の過程はあるのだろう。」
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