慣れれば詠唱出来ますよ! それなりの頻度で来店してくれるイケメン…店員の間で兄貴と呼ばれているお客様が今日も来店してくれた。兄貴は大人の余裕たっぷりで、でもちょっとヤンチャしてそうなオトナの男、という感じでいかにも兄貴肌、と思われるのでいつの間にか『兄貴』で定着していた。一人で来るのが常なのだが、今日は連れが居る。珍しい、と思わず観察してしまった。だってこんな綺麗な男の子…男の子?でいいんだよな?を間近に見るのは初めてだ。美人くんは左右で瞳の色が違うように見えるが、それを気にしてか前髪を垂らしていてハッキリしないが、声を聞く限り男の子でよさそうだ。銀髪というのだろうか、白髪とは違う光沢のある長い髪をハーフアップにした美人くんは恐らくこのタイプのコーヒーショップが初めてなのだろう、不安そうに兄貴に話し掛けては笑われている。気持ちはよくわかる、勤める前の自分もそうだった。
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