先生の秘密冬の太陽は姿を消すのが早い。
進路指導室の窓からすっかり日の暮れてしまった空を眺めて思いっきり伸びをする。
高校3年の12月、受験前の大事な時期にインフルエンザなんてものにかかってしまったせいで、私は冬休み前のテストを丸々受けることができなかった。おかけで登校可能となった途端にクラスメイトと隔離され、丸一日再試験を受けるはめになっていた。
何も一日に詰め込まなくてもいいだろうと心の中で愚痴ったが、私の再試が終わらないと同級生たちのテストも返却できない。先生側からすれば一日でも早く終わらせてしまいたいのだろう。
朝から詰め込まれていたテストがようやく終わり、一人テストを受ける孤独とプレッシャーから解放される。
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