ポメ尾くんと木兎くん 初めてのグループ高校との練習、初めての大規模な夏合宿、初めての他校選手との交流。新たな刺激で充実した合宿だ。合宿初日に偶然仲良くなった音駒の黒尾との練習後の自主練も日課になりつつある。ユーイギ、とは正にこのことだろう。
しかし、今日は「丁度折り返しだし程々にな」という黒尾の言葉で早くに切り上げられてしまったのだ。正直まだまだ打ち足りなかったが、黒尾の言い分も一理あると思いしぶしぶ片付け、引き上げた。
黒尾と別れてから、もう少し筋トレでもしてから上がろうか、いややはり今日くらい体を休めるべきかと頭を悩ませながら体育館前をウロウロしていると、すっかり闇に浸かった渡り廊下の奥で何かが蠢いていることに気づいた。
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