無自覚なsweet【ウエサウ】「ウエスター君」
「どうした?」と振り向いたウエスターに、サウラーはとあるものを見せる。
「今日はほら……『これ』の日でしょ?」
サウラーが細い指でとんとん、と軽く叩いたのはポッキーの箱だった。
「ああ、そういえばそうだな。で、それがどうかしたのか?」
ウエスターの返答に、サウラーは小さく溜め息をつく。
「相変わらずキミは鈍いよね……仕方ない、ヒントをあげよう」
そう言うとサウラーは箱を開け、中に入っていた袋を一つ開封した。ポッキーを一本取り出すと、その端を口に咥えてそっと目を閉じる。
(……察しの悪いウエスター君も、こうすればさすがに気付くだろう)
ウエスターの「なるほど、そういうことか」という声が聞こえた、次の瞬間。
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