「――毎回酒の勢いってのもどうなんだ」
僕とライトさんで行われる不定期開催宅飲み会で
キスできそうないい感じの雰囲気に
冷水をかけるようにライトさんは
僕を壁に押しつけた
なんで僕が壁ドンされる側なのさ
「あんたが口を塞ぎにくるのは 自分に都合の悪い
話題の時だよな どれがまずかったんだ?」
「…………。」
このひと自分の事は鈍いくせに他人の事は鋭いの
腹立つ
「俺は割とあんたを気に入ってるからこそ
こういう展開込みで誘いに応じてる訳だが
好きでもない男を酔わせて押し倒す
あんたの魂胆はなんなんだって話をしてたよな?」
「……言いたくない。」
今更言えるわけないじゃん 一目惚れだとか
二人っきりじゃまともに顔が見れないから
お酒呑んでるとか
「そうかそうか じゃああんたの体に
直接聞くしかないな」
「いだだだだだだだだだだだ ギブします
やめてしんじゃう!!」
なんで僕がコブラツイストかけられてんの!?
推しと密着嬉しくないんですけど!
「俺がパンチしか撃ってこないと思い込んでる
相手を蹴りや絞めで倒すのが面白いんだよ」
「うわ性格悪ッッッ!!」
「俺が嫌いだってはっきり言ってくれたら
もう二度と来ない それでいいだろ」
「そんなのやだ!!!」
「じゃあ俺の事どう思ってるんだ?」
「〜〜ああもう言えばいいんでしょ言えば!
好きです大好きですお酒呑まなきゃ
目も合わせられないチキンなんです!!」
「……言えるじゃないか
関節外される前でよかったな」
「本当の拷問じゃん!!」
「なんならシラフでキス出来るまで
特訓してやってもいいぞ」
「その前に心臓止まっちゃうよ これ以上
顔近付けないで」
「どれどれ」
「鼻血吹くよ」
お、固まった 流石に二人で駐車場に倒れてた
記憶はあるらしい
「血を出されるのは困るな 仕方ない呑み直すか」
「よくこの状況で呑む気起きるね」
「……最後までした事なかったろ 今なら
サービスするぜ」
無理――――――――!!!!!!
……これで気絶すんのかよ 参ったな
あんまり焦らされると また襲っちまうぞ
ダーリン