悠真の幽霊を拾った翌日から
奴がへばりついて離れない
本人曰く物に触るには気合いが必要だそうで
普段は感触がないから気にならないが
「…なんでひっついてくるんだよ」
「離れられないの!頑張っても5mくらいで
引き戻されるんだよ 磁石でも付いてんの?」
幽霊のこいつが遺したもの—
心当たりに気付いて自分の腹を見る
「あんたのアレ飲んだからか?」
『なんで飲んじゃうの!?危ないでしょ!!
何が起きるかわかんないんだよ!?』
『呪われたっていい 何かを遺してくれるなら』
どうやら本当に呪われたらしい 傑作だ
呪いどころか祝福じゃないか!
「このおバカ!!考え無しに勝手なことするから
こうなるんだよ どうすんのこれから」
「あんたが俺から離れられない 結構じゃないか
逃がさないぜダーリン」
「僕ライトさんの寿命吸い取ってたりしてない?
絶対何かあるよコレ」
「死ぬ時は一緒ってことだろ 嫌なのか?」
「かわいく小首傾げたってダメ!」
…やばい この人放っといたら絶対長生きしない
冷蔵庫にろくな物入ってなかったもん
死にたがりのネガティヴ思考に惹かれるのか
なんか良くない気配が集まってくるし
離れられないのは結果オーライかもしれない
あー!またなんかモヤモヤしてんの寄ってきた
『気安く人の物に触るなよ 殺すぞ』
はい、始末完了⭐︎どういう理屈か知らないけど
生前使ってた武器は好きに呼び出せるみたい
この調子で24時間セコムするなら
ご褒美ないとやってらんないよー
とりあえずライトさんに労働条件の交渉と
自炊の特訓をやらせよう
末長いお付き合いになりそうだしね