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    dc_hatobannu

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    新聞でとある記事を読んだら、急に滾ってきた(*´ω`*)

    いくつになっても手をつなげる人がいるってのは幸せだよね。
    冬の足音が聞こえ始めた、新宿の街。街路樹の銀杏も黄色く色づき始め、冬支度を始めていた。
     朝もめっきりと寒くなり、いつもは早起きの相棒も、俺の懐へ潜り込んでは束の間の二度寝を楽しむようになっていた。うっかりそのまま香が寝入っていたら、遠慮なく俺が「朝の運動」へ誘っていたのだが、最近は少し学習したらしい。ウトウトした後に慌てて飛び起き、慌ただしくベッドから逃げ出していくことがほとんどだった。
     午前中はダラダラと過ごし、午後の伝言板チェックへ出かけた香から少し遅れて、俺は家を出た。吹き付ける北風は、頬を切るような冷たさだ。つい俺も、両手をポケットへ入れたまま、背を丸めて歩いちまう。顔を上げようにも、街を行くもっこりちゃんは、あからさまに露出度も下がり、ちっとも目の保養にならねぇ。ここは温かな飲み物でも飲みながら、ついでに冷えた身体を温め合うのが一番いい。……となれば、まずは相手を探さなければ!
     俺はもっこりが立ち上がるかの如く顔を上げ、辺りの女を物色し始めた。
    『あっ! りょぉーっ!』
     遠くから名前を呼ばれたような気がするが、あえて聞こえないフリをする。早くもっこりちゃんを見つけて、 2364

    りんごと食

    DONE世界任務「日輪とカンナ山」後の二次創作小説です。
    万葉はあの羽を見た時に何を思っただろう、の疑問から書いた話。
    語り手は万葉くん。

    ◆男性主人公(空)が出てきます。
    ◆世界任務未達成の方はネタバレに注意してください。
    ◆山も谷もありませんし、カプ要素もありません(つもり)。何なら会話もほとんどしない、ないないづくしですが良ければ(´-`).。oO
    鶴観の後 風と大地の匂い、そして星空の匂いを纏う彼から懐かしい匂いがした。
     彼の今回の冒険の行き先は霧に包まれた過去の島、鶴観であったらしい。彼の地の自然はそこであった出来事を囁くように教えてくれるが、それが彼らの旅路にどんな意味を含ませたのか、万葉には推し量ることしかできない。尽きぬ嵐を抜けた先で、彼らは多くの別れを経験した。

     別れは、別れを予期したその時から始まる。唐突な別れには到底望めない心の準備とも言えるその悲哀の過程は、失われゆくものと残されるものの双方とって得難い救いとして機能する。童子が戯れに砂で塔を作るような無益も、緋櫻毬が大地に落ちる様に目を凝らして必死に見守るような不毛も、喪失さえ糧として生きながらえる人間にとって、必要な儀式の一環であろう。
    1946

    にゃろまぐ

    PASTスモバお題「僕の番犬」でした!読んでくださった方ありがとうございます。べったーが調子悪いので、移植しておきます。
    ライ🐕のお耳とお尻尾がうつっちゃう💦 ──だめですよ、マダム。この男は僕の番犬ですので。

     そう言って、パーティー会場中の女性の視線をほしいままにしていた寡黙な色男のネクタイをぞんざいに引き、話を遮ったのは、これまた美しい青年でした。
     ネクタイを引かれた男は長い黒髪と涼やかな目元、グリーンアイズが印象的。背が高く、黒のタキシードの上からでも分かる逞しい身体つき、ひりつくような冷めた眼差しが、内にどんな荒々しい雄を秘めているのかとめくるめく想像を起こさせる。
     対して、ネクタイを引いた男は、みずみずしいキャラメル色の肌、光を纏う美しい髪、大きな瞳と甘い垂れ目、つんとした果実を思わせる唇は少女のような愛くるしさ。なのに、青年ならではの凛々しさがぴりりとスパイスとなり、たった一瞬で無慈悲なほどに心を攫う。白い手袋に包まれた手で男の礼節の象徴を無造作に掴む手つきたるや、まるで言葉通り飼い犬のリードを引くようですが、その若さと美貌の前ではどんな辛辣な台詞も愛らしい戯言に、不遜な態度も魅惑的な奔放さに変えてしまう。ゆえに、彼のたった一言の台詞、そして若き主人の執着を当然のように受け入れて見せた色男の沈黙によって、彼らに注がれる視線は異様な熱を帯びました。
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