フリーダムのコックピットを突き刺す無数の針。また、間に合わなかった。ブラックナイトスコードの時と同じく、今回も無事だといいが。
周りの敵を殲滅し、フリーダムへと近づく。先ほどから鳴らしている応答にキラは答えない。
コックピットを無理やり開けたそこには、血まみれのキラがいた。
「キラ!」
「……あす…らん?」
「大丈夫か!?すまん、俺が間に合わなかったから…」
「あすらんの、所為じゃ、、ないよ…ねえあすらん、今の状況は…」
声をかけながら傷の具合を確かめる。幸い貫通箇所はないが抉るような傷はいくつもある。出血が多い。早く手当てできる場所へつれて行かなければ。
「周りの敵は大体無効化した。そんなことより、手当だ。動かすぞ」
「力…入んないや…」
「くっ…俺が早くきていれば!」
「あすらんのせいじゃ、ないって…言ってるのに…」
段々と呼吸が弱くなっている気がする。素早くキラを抱え自身のコックピットへ急ぐ。一番近くにいたミレニアムに通信を繋ぐ。
「あすらん…一つ、お願いしていい…?」
「なんだ?」
「顔、見せて…」
「顔?」
画面から目を離し、キラと向き合う。
「やっぱり、かっこいいや…ありがと、最後に見れたのがあすらんで、、よかった」
そう言って目を閉じる。かろうじて呼吸しているが、限界が近いのは明らかだった。
ミレニアムに到着後、医務室へ運ばれたキラが目を覚ましたのはそれから3日後のことだ。
検査の結果、命に別状はないらしい。ただ、ひとつ致命的な傷が残った。
「キラ…ごめん、俺が、俺が遅かったから!」
「アスランの所為じゃないって言ってるのに。それに君がきてくれて嬉しかったんだよ」
「だって、お前、目が…」
「最後に君を見れたから、僕の瞳にはずっとかっこいいアスランがいるよ。だから、気にしないで。アスラン」
そう言って笑う彼の瞳には、なさけない顔をした自分が写っている。