モトコさんと整形男SSまとめ琥珀色
私の目の前にはいつものように顔は違うけれども、呼吸を忘れて思わず見とれてしまうような、視線を向けることを強要するような、いつも通りの美しい男が居た。
食事に生命維持以上の価値を見出さない私が栄養のまるでない、活動に必要な熱量だけを多分に含んだ、ジャンクで安価なカップ麺を啜っている私に、どこをどう弄れば美しくなれると語る彼の言葉を右から左へ聞き流しながら食事を終えると、彼はシャツの胸ポケットから小さな可愛らしい缶を取り出し、蓋を開けた。
その中には透き通った黄金色の粒が詰まっていた。彼は白く細長い指で、それを一粒摘むと、空いている方の手で私の顎を救い取り、彼の行動の意図が掴めずぽかんと空いていた口に、彼の瞳と同じ琥珀色を転がりこませた。
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