独占欲は人一倍です「よっ、暁人!」
「おはよう!」
渋谷で起こった出来事から一か月、ようやく暁人は復学を果たすことが出来たのだ。昼前の暖かい時間に少し眠気に負けそうになりながら、ノートを広げ、いつも座る席で待っていると、突如、背中を叩かれた。横を向くと、同じ講座をよく取っていることから何気なく仲良くなった友人がそこにいた。
「やっと、復学かよ」
「うん、まあね」
友人は隣に座ると、自然にノートを手渡してきた。頼んでいなかったのにも関わらず、暁人が休んでいた一か月分の講座の内容をメモっていてくれたようだった。
「ありがとう、助かるよ」
「気にするなよ、てか、もう大丈夫なのか?入院してたって聞いたけど…」
「ああ、大丈夫、大したことないから」
1710