ぬいぬい「こんにちは」
エドから連絡を貰った暁人は暖かい昼下がりの中、アジトへと顔を出した。中にはエドとディルの二人だけで、他の面子は外へと出かけているようで、とても静かだ。外せない作業があるのか、エドはこちらを振り返りもしない。代わりにディルが「少しだけ待っていてくれ」と声をかけられ、ボディバッグを部屋の片隅に置いた。
「うーん、どうしようかな…」
遠目から見ても、まだ終わりそうにない。待っていてくれと言われたが、特にすることもなく、手元に本でもあればよかったが、生憎購入した雑誌は全て読み終わってしまっている。再び目を通すのもありだなと、テーブルへと視線を動かす。
「……」
流石に積みすぎだと三日前に片付けたはずのテーブルの上が、書類に埋もれている。書類の隙間から、空の栄養ドリンクとカップ麺が見え、肩をすくめ、溜息が出る。仕方がない、書類は後でKKがいる時にして、ゴミだけでも片付けようと空瓶を取る。
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