藍色の帳 恥ずかしい、と杏寿郎は小さく呟いた。
それは、互いに向かい合って抱きつき、衣服を脱ぎもせず、欲のままに下だけ繋がった己の姿が改めて気づいてしまったせいだった。
とても恥ずかしいし、滑稽だとさえ思った。
猗窩座に跨った杏寿郎の下半身は、少し動いただけで「ぬちゃ」と音がする。そして勢いのままに繋がってた結果、尻穴には、太くて黒い陰茎が穴に入り込んでいて、凶器のようなそれは、杏寿郎の腹の、奥のまで突き刺さっていた。
今更といえば今更だが、全てが卑猥なことこの上ない。全身がカア、と熱くなって、あまりのいたたまれなさに、杏寿郎は俯いた。
けれど猗窩座は、そんな杏寿郎を見ても、特に何も言わなかった。俯いたから、表情は読めない。
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