うずさね 戦いが終わり、鬼も居なくなった。
鬼殺隊と言う組織も無くなりそれぞれがそれぞれの新たな生き方を問われる事になった。
選ばれし痣を発現させてこれからの余生を生きていく者もいる、一足先に鬼殺隊を抜けた元柱の宇髄は誰に言われたわけでもなくそれを見守る役割をいつの間にかに担っていた。
あの時あの瞬間の柱の中で唯一、生の期限の定められていないただ一人の人間として。
「よう、不死川。旅に出るって?」
「……あァ?まあなァ」
「どこ行くんだよ」
「…決めてねエ、か「風の向くまま気の向くまま」ってか?」
「人の言葉遮って盗んじゃねェ」
一人旅に出るらしい、そんな噂を聞いた宇髄が不死川の元へやってきたのはすっかり体の回復して屋敷へ戻ってきた春先の朝だった。不死川にはもう、あと四年程の余生しか残されていないことは互いに、分かっていた。
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