【薫零】ロミジュリ1 ─ お疲れ様です、お先に失礼します! ─
「お疲れさまでした」
一人また一人と帰って行って気づけば残るのは零と薫の二人だけ。
あとちょっとで何かが掴めそうでもう少し練習したかったが自分たちが居てはスタッフも帰れず困るだろう。ESビルの練習室を今から取れるだろうかと考えながら帰り支度をしていると薫がつつつと寄ってきた。
「零くん」
「なんじゃ?」
「俺もうちょっと練習したくって。事務所の練習室ネット予約したんだけど零くんはもう帰る?」
「……すごい」
「え、何が」
同じことを考えていたことも、ネットで予約を出来るということも、そこに自分を誘ってくれるということも。
「いや、我輩ももう少しやりたいと思っておった」
「だよね、あと少し詰めればなんか掴めそうな気がするんだよ」
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