【薫零】ロミジュリ2それ以来、二人で練習することが増えた。
いや元々行先も一緒、帰る場所も一緒、稽古時間もだいたい一緒だからほぼずっと行動を共にしていたのだが役に関する話をすることが増えた。
「二人、仲いいよね」
朝はまだ眠った状態のまま歩いているような零の荷物を持ってやりながら稽古場のドアを開ければ開口一番そんな言葉がかけられる。
「まぁ高校生の時から同じユニットなんで」
「荷物まで持ってあげて優し!」
「帰りは逆にへばってる俺の分まで持ってくれるんでお互い様です」
ほらやっぱり仲がいいと笑って共演者は去っていく。
そんなに仲いいかなぁと呟きながらほら着いたよとまだぼーっとした顔をしている零の背を叩いた。
「悔しいけど上手いんだよなぁ」
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