『月の騎士』太陽国
太陽が輝くような白の国、
そんな国で二人のかわいらしい双子の子供が産まれた。
「やはり、双子でしたのね」
「クーヌス……」
クーヌスと呼ばれた白く雪のように美しい王女は、己の騎士である白衣の騎士オルトスから産まれたばかりのかわいい双子の愛おしい我が子達を受け取る。
「わかっているわ、王座は一つ
双子のどちらかは影にしかなれない。
わたくしも貴方という私だけの騎士を見つけてしまった時に、覚悟はしていたのよ」
「……」
オルトスは、無言でゆっくりと双子の髪を愛おしくゆっくりと撫でる。
鏡でも合わせたようにそっくりな双子。
太陽のように輝く金色の髪、まだ閉じられた瞳は同じ色を灯しているだろう。
この太陽国では"必ず"双子が産まれる。
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