善意のストーキングをはたらくブ(形態は問いません)と怯えてたのにほだされるお兄さんをお願いします……イサミは皆にモテモテだ。
それは素晴らしいことだ。
しかし、それは同時にイサミの危機にも繋がる。
イサミが美しく、綺麗なばかりに拐われてしまう畏れがあるからだ。
イサミがいかに強く、逞しくかろうとも私は心配で心配で
心配すぎてイサミの後を付けてしまうほどだ。
『こちら、ブレイバーン
今日もイサミが可愛い』
「で、でたーッ!!!!」
『しまった、イサミに見つかってしまったッ!』
小さなサングラスをかけ、1機スパイごっこをしていた小さなブレイバーンは、小さなサングラスを落とさないようによたよた、ぽてぽてとイサミを追いかける
『イサミを見失ってしまった
スパイは見つからないものではなかったのか』
小さなブレイバーン手帳に
✕スパイ
と書き込み、次の作戦へと向かう。
『こちら、ブレイバーン
イサミの髪に付いた葉がうらやましい』
「でたーッ!!!!」
『なぜバレた!?
今回は完璧だと思ったのだがッ!』
にょきりと足を生やした大きなひまわりのブレイバーンは、てちてちとイサミを追いかける
『くッ、イサミを見失ってしまった』
小さなブレイバーン手帳に
✕イサミの大好きなお花に変装する
と書き込み、次の作戦へと向かう。
『こちら、ブレイバーン
イサミの靴紐がほどけそうで心配だ
蝶々さん結びは苦手なイサミも可愛い』
「ぁ、教えてくれてありがとうな」
『どういたしましてイサミ』
「……仕方がない奴だ。
せっかく格好いい迷彩服が汚れるぞ」
イサミに抱き上げられ、夢にまで見たイサミの腕の中に優しく抱きしめられ
ポンポンと地面と同化していた迷彩服に付いた土汚れを払ってくれる。
『イサミィィィ♡』
やはり、イサミの目には私がどこにいようともお見通しなんだな♡
「家にプリンがあるんだ
食べていけよブレイバーン」
『イサミのプリン!?』
「残念だが市販だ」
『ならば明日は、私と一緒にプリンを作ろうイサミ!』
「なに、次の約束まで決めてるんだよお前は……まあ、良いけどな」
『本当か!?イサミのプリン!イサミのプリン!』
イサミのプリンは甘くて美味しくて頬っぺたが蕩けて落ちそうだと言ったら
イサミが笑ってくれたので今日はイサミのプリン記念日だ。
『こちら、ブレイバーン
イサミは信号待ち中でも可愛いらしい』
「今日はポッキーか?」
『おしい、電信柱だ』
灰色の電信柱に変身していた私をイサミは軽々と持ち上げ、笑ってくれた。