初恋エンドロール①「僕は君が好きなんだ、悠仁」
虎杖にする告白は、これが最初だ。
そして通算十回目になる。
虎杖は眉を八の字にして、琥珀の瞳を少しだけかなしそうに目を細めて、昨日と同じ台詞を言うんだ。
「ごめんね」
こうして初めてで、十回目になる告白は、想いを遂げることはなく、行き場のない気持ちがぐるぐるととぐろを巻くのだ。終着点のない列車がレールを周り続けるように、ピリオドを打つことの出来ない恋心は、いつまでも周回していた。
*
混じり気のない魂がそこにあった。
呪いと交わっていない、不純物のない魂、気高くあろうとする純粋な志、眩しい闇を見据える心を、初めて見たように思える。
五条は虎杖本人を、初めて見たように感じた。
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